相続士、はじまりのはじまり。

相続士の仕事はじめました。日々の仕事、出来事、雑感を書いています。

エンディングノートを書く目的。

エンディングノートは何のために書くのでしょうか?

 

大きく2つの目的があります。

ひとつめは『残された家族への思いやり』、

ふたつめは『人生の最終日まで充実して生きるため』です。

 

  • ひとつめの目的『遺された家族への思いやり』

たとえばご自分が、突然の病で意思表示ができなくなった、

あるいは事故に遭い不幸にも命を落としてしまった、と仮定

してください。嬉しい仮定ではありませんが、誰にでも

起こりうることですので、一度真剣に考えてみましょう。

 

その場合、

家族(配偶者、お子さん、あるいは親御さんかもしれません)は、

まず治療方法の選択をすることになります。そして不幸にも、

治療をしても意識が戻らない可能性が高い場合には、

延命治療をするかどうか選択を迫られます。

 

どんなことをしても少しでも永く生きられるようにするのが

家族としての愛情だ、という考え方もありますし、

自分の意志で普通の生活ができないのに医療の力で延命するのは

本人にとっては却って酷だ、という考え方もまたあります。

そして、この判断を家族に委ねること自体が酷だという考え方も

存在するのです。

 

延命治療によっていつまで続くかわからない医療行為を続けることは

家族にとって精神的な負担は小さくありません。また医療費の負担も

当然ながら伴います。

 

かといって、医療費がいくらかかるかわからないからという理由で

延命治療を止めたとしたら、罪悪感が残るかもしれません。

 

ここでもし「わたしが重篤な病状に陥ったときは、緩和ケア以外の

延命治療はしないでください」といった本人の希望があらかじめ

わかっていれば、い選択を家族にさせずに済みます。

 

エンディングノートに延命治療の希望や臓器提供の意思、

葬儀に関する希望、お墓のことなどを書いておくことによって、

残された家族の負担を少なくすることができるのです。

 

  • ふたつめの目的『人生の最終日まで充実して生きるため』

人生の最期をどんな風に迎えたいか考えたことがありますか?

 

自分の人生が終わりに近づいたと悟ったとき、

「やりたいことは全部やったし、行きたいところへは全部行った。

会いたい人にも会った。苦しいこともあったけど、今となっては

もう思い残すことはない。あー楽しかった!それでは、お先に!」

と笑って人生の幕を下ろしたい。わたしはそう思っています。

 

そう思えるために、今をどう生きるか。今日何をするのか。

 

最期の日から逆算してあと何日あるのかわかりませんが、

1日1日を無駄に過ごしたくないと感じるようになります。

 

自分の「死」について考えることは縁起の悪いことではなく、

「今をどう生きるか」考えることにつながります。

 

エンディングノートには、子どもの頃の思い出、家族や友人への

感謝の気持ちを書くことができます。両親から受けた愛情を

改めて思い出す人もいるでしょう。幼い頃の友情を思い出すかも

しれません。これまでの人生を洗い出してみることで、

自分の人生がいとおしく感じられます。

 

そして「これまで生きてきて良かった」と思えるでしょう。

辛い記憶が多い人ほど「今まで頑張ってきて良かった」と

自分を褒めたくなります。

 

そして、最期まで充実した人生を送るために、

これからの人生計画を立てたくなります。

 

エンディングノートを書く目的はふたつ。

ひとつめは『残された家族への思いやり』、

ふたつめは『人生の最終日まで充実して生きるため』です。

 

参考になれば幸いです。

         終活士 木本直美

 

 

エンディングノートの選び方・書いてはいけないこと

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