エンディングノートの選び方
書店に行くと、最近は必ずと言っていいほど終活・相続・
遺言関係のコーナーがあります。数種類~多いところでは、
数十種類ものエンディングノートが販売されています。
タイトルも様々で、『エンディングノート』というストレートな
ものから『終活ノート』、『もしもノート』、『断捨離ノート』、
『よりよく生きるエンディングノート』などなど、ありすぎて
選ぶのに苦労するほどです。
選び方について下記に書いてみました。参考にしてくださいね。
【選ぶ際のポイント】
- 表紙の手触り・質感
まずは手に取ってみましょう。
そして、手ざわりや重量感などを確かめてみましょう。
表紙の色や模様、表紙に印刷されたタイトルは自分の思いと
合致しているでしょうか?
自分がずっと触っていたいようなものは、愛着が湧き、
ページを開くのが苦にならないものです。
- 書きたい項目が充実しているか
たとえば不動産を複数所有している人なら不動産を書く欄が
たくさんないと困ります。
銀行口座も書く欄が足りなければ意味がありません。
もちろん欄外の白いスペースに書いてもかまいませんし、
足りないところは紙を貼って継ぎ足しても良いのですが、
通帳がたくさんあるとわかっている方は、口座を書く欄が
多いエンディングノートを選びましょう。
また子どもの頃の思い出や、家族へのメッセージを書く欄が
あるものとないものがあります。文をたくさん書きたい人は
書く欄が多いものを、文章をあまり書きたくない方には、
ポイントを絞ったエンディングノートがおすすめです。
時代ごとの写真を貼るページがあるタイプもありますので、
ご自分の好みや目的を思い浮かべながら選ぶと良いでしょう。
さらにもう少し詳しく説明しますと、
エンディングノートに書くことは、大きく2つに分類できます。
ひとつは、自分の人生にまつわることです。
子どもの頃の想い出や仲の良かった友だち、出生地、命名の由来、
検体についての希望、葬儀やお骨の取扱いの希望、臨終や葬儀の
際に連絡して欲しい人リストなどを詳しく書いておきましょう。
一度書いたら変えられないというものではありませんので、
時々読み返して、気持ちや事情が変わった部分は、どんどん
書き換えて行きましょう。
毎年の誕生日やお正月に見直しをするというルールを作り、
恒例行事にすると続きやすいです。
もうひとつは、家や資産に関することです。
親戚の連絡先や親族関係図、不動産や銀行口座の情報など、
いざ相続という時に実務的に大変役に立つものです。
- 写真やデータ保管ができるかどうか
CD保管用ポケットや写真貼付ページなどがあると便利です。
CDには、遺影写真用の画像データを保存しておくと、
いざという時、家族があわててアルバムをひっくり返す
ということをせずに済みます。
- ページの開き具合
ページの開き具合は書きやすさにつながりますので重要です。
表紙を開いた時に左右のページが完全に開くタイプでしょうか。
背表紙が固いタイプのものは、
手を放すと勝手にページが閉じてしまったり、
左側のページが書きづらい場合がありますので確認しましょう。
- 紙質・用紙の厚さ
紙質は、ざらっとしているか、ツルツルしているか。
指で触って確かめてください。
厚手の中性紙は、書きやすく長期保存に耐えます。
どのような筆記具で書くかにもよりますが、
年に1度は見直して必要に応じて書き直すことを想定して、
画用紙のようにざらざらした紙質のものは、消しゴムで
何度も消しているうちに紙が痛んでしまう恐れがあります。
また、あまりにもツルツルして光沢の強い紙だと、
鉛筆やシャープペンシルでは書きにくいかもしれません。
また薄すぎる紙のものは破れやすく、
長期使用に耐えられない恐れがあります。
エンディングノートは一度書いて終わりではなく、
人生最終日まで付きあう友であり、
残された人が手にするものですから、
できるだけ長い年月に耐えられる材質のものを選びましょう。
- 配色
ざっと見渡すと、ページ全体がブルー系やピンク系で
統一されたものが多いようです。
色彩学でいうとブルーは冷静・爽やか・信頼感・食欲減退、
赤は情熱・活力・興奮、
オレンジは陽気・社交的・食欲増進、
黄色は知性・希望・自己アピール、
緑は安らぎ・健康・マイペース、
ピンクは幸せ・思いやり・甘さといった意味を持っています。
選ぶ際は基本的に好きな色調のものでよいのですが、
ページ全体がブルー系でまとめられたものは、
書いているうちにだんだん気分が沈んでくるという人もいます。
エンディングノートは悲しい気分で書かなければならない
というわけではありません。
書いていてウキウキできそうな色調や、
明るい気分で書けそうな配色のものを選びましょう。
- 値段
数百円~3,000円以上までさまざまありますが、
1,500円前後のものが一番多く流通しています。
金融機関や葬儀社などが無料で配布しているものもあります。
無料のものは資産関係にポイントが絞られているので、
文章をあまり書きたくない方には使いやすいといえるでしょう。
- 決めづらいなあと思ったら・・・
「これ!」というものが見つからない場合は、まずは試しに
無料でもらえるものか、価格の安いノートを購入してみること
をお勧めします。そのノートに一度書いてみましょう。
すると、「銀行口座がもっとたくさん書ける方がいいな」
「家族の関係図が欲しいな」と、自分に必要な項目、
重視したいことがらが見えてきます。
その上で、自分に合うお気に入りの1冊を選ぶとよいでしょう。